ゲームの競技性の話
Twitterじゃまとまりきらないけど、ちょっと殴り書き的な感じで書いておきたいことを
「eSportsって他のスポーツと比べてどの程度競技レベルが高いんだろう」
というテーマに対して色々と考えるんですが、皆さんどう考えるでしょうか。
今日Twitterで(自分の中で)話題になったテーマでもあるので、改めて少し考えてみたいところ。
競技レベルとは何か
これ早速難しいと思います。
スマブラにおけるTOP10プレイヤーの習熟度と、フィギュアスケートのメダリストの習熟度をどう比較するのか、という話なんですがとてもじゃないけど定量的に比較するのは難しそう
よくある意見として、「ゲームはプロがアマチュア(競技経験1年程度)に負け得るが、他のスポーツではそのような現象は見られない。よって競技レベルが低い」というもの。今日Twitterでもそのような意見を見かけました。
しかし、これはいくつかの点で間違っていると思います。以下にその理由を。(以下ではアマチュアを競技経験一年程度の人と言う意味で書きます)
競技としての性質が根本的に違う
身もふたもないことを言うようですが、実際これはあると思います。
まずフィジカルスポーツはどれだけの知識や思考力があっても、フィジカル差でどうにもならないことが多々あります。
恐らくバスケの世界で平均身長以下の人はまず戦う土俵に上がるのが極めて難しいでしょう。これで全国民の50%以上は一気に可能性を削られます。
しかし、ゲームにそのような制約はなく、この点では万人が同じ条件で戦えるという点でトッププロとアマチュアとの間で差異を付けにくいと思います。
また、もう一つ競技ルールの普遍性も重要な視点かと思います。
野球やサッカーってもう突然大きなルール変更はないですよね?突然二塁が消えるとか、細かいこと言ってられねぇよ!とか言って急にオフサイドがルールから消えるとか、ないですよね。
しかし、ゲームは違います。スマブラの場合は4~5年に一度ゲーム自体が新しくなります。これは競技環境を一新するものです。
野球で公式球の反発係数が変化しただけで、競技シーンは大きく変わりました(通称加藤球)。急に活躍する選手、急に活躍できなくなった選手、様々発生しました。
それであれば、ゲーム自体が新しくなり、競技が一新された瞬間にあらゆる環境が変化した結果、トッププロとアマチュアとの間の差異が急激に縮まる可能性があることは明らかです。
実際、僕がスマブラXを買ってから10年間ずっとスマブラXをプレイし続けたら、どれだけセンスがあろうとプレイ歴1年未満の人には何があっても負けないと思います。
そのため、他のフィジカルスポーツと比較して「トッププロとアマチュアとの間の勝率差のみを以って、eSportsのレベルが低い」と主張するのは難しいような気がします。
そもそも「トッププロがその他プレイヤーに負ける」の負けるが表すものとは?
勝ち負けの定義の仕方によっては、他の明らかに競技性が高いスポーツでも同様の現象がみられると思います。
例えば、運動神経と体格の良いスポーツマンが野球を始め、1年間必死で練習したら130kmくらい投げられると思います。
その状態で、プロの打者と10打席勝負したら、打ち損じではあるだろうけど恐らく1回はプロが凡退するのではないかと思います(推測)。
この状態を「トッププロが1年程度の経験しかない素人に負け得る」と表現することもできると思います。
逆に、スマブラ4の終盤に「JPRのTOP20くらいのプレイヤーが、スマブラを始めてから1年程度のプレイヤーと10本先取をする」となったら素人じゃ絶対に勝てないと思います。
これは結局のところ、「何を勝ち負けの基準とするか」の議論であって、競技レベルの高さのみを現わしているものではないと思います。
この点でも、トッププロがアマチュアに負け得るということが競技レベルの低さを意味するものではないと思います。
競技レベルはどのように測るか
定量的に競技レベルを測る一つの手段としては、競技人口があります。
まずスマブラの競技人口って何人なんでしょう。
色々取るデータは考えられますね。例えば...
- スマメイト登録ユーザー数:24,701人(2018/12/29現在)
- ウメブラSP1参加人数:大体800人
など。いい加減な引用ですみません。
1回の大会で800人が集まったということは...適当な計算だけどあの日たまたまウメブラSPに来ることができなかった人、他地域に住んでいて参加できなかった人も含めるとその4倍くらいは少なくとも競技者がいそう。⇒3,000~4,000人くらい...?
スマメイトには2万人以上登録しているが、サブアカウント等も考慮して平均して1人が2つのアカウントを持っていると考えると、プレイヤー数は10,000~12,000人くらい...?
じゃあ平均を取ると、大体スマブラSPの競技プレイヤーは7,000人くらい...?
さて、フィギュアスケートの競技人口をここで見ます(ソースの確からしさや、中身まであまり見れていないことを容赦ください)。
男女合わせて4,000人程度、男子だけだと1,000人未満。
勿論、競技人口を決めるにはこのデータだけでは色々と不十分。競技プレイヤーをどのように定義するかの議論が完全に置き去りになっているため。
ただ、僕らがやっていることは他の社会的に評価されているスポーツと比較して、完全に劣っているものなのかというと、必ずしもそうではない気はしてくる。
最後に
一個言い訳させてください。お願いします!
この記事1時間足らずで書いたので、色々と記事として読むにはガバガバだと思います。
でも、たまにはこういうのも許してください。何かの参考になれば幸いです。こういうテーマで誰かもっと深い示唆を出してくれることを期待してます!!!