僕がスマブラで最初に学んだこと

僕は8年前の高校2年生の時からスマブラを真剣にプレイし続けています。

当時はWiiスマブラXで、2008年1月の発売時から半年以上はこのゲームでは弱キャラのマリオを使っていました。

 

また、今と違ってオフ大会が関東、関西で1か月に1回以上開かれるということは全くなく、オフ大会は関西のケツバトという大会が2か月に1回くらい開かれているのみという状況で、当時関東に住んでいた僕は発売年の4月くらいにはオフには出ていたものの、オフ大会に出るのはかなり後になります。

 

オフに出始めてからは更に実力を伸ばし、完全な弱キャラで使い手も少ないマリオを使っていたのもあって全一と評価されるまで時間はあまり経ちませんでした。

まずまず強い人にも勝てていたし、オフの上位プレイヤーにもそれなりに戦えていたため、大会に出たら決して優勝は狙えないことは分かっていたけど、それでも上の方には行けるんじゃないかという自信が沸いてきました。

 

そんな中で出場した2008年8月のケツバト、今でもX古参勢の中では語り草となっている大会です。関東の上位勢、中堅勢がこぞって関西に遠征し(20人以上はいたはず)、関西勢はもちろんフルメンバーで参加した、関東vs関西という構図がはっきりと示された最初の大会だったと思います。(余談ですが、もっと言うと東のRAINvs西のサウザーの戦いでもありました。結果はサウザーさんに軍配が上がり、日本最強プレイヤーの称号をゆるぎないものとしました。)

 

そんな中で、およそ半分の人数が通過できる予選で僕は予選落ちしてしまいました。内容も、3ストvs1ストの圧倒的有利状況から急に頭が真っ白になってどんどん追いつかれて逆転負けしたり、同キャラ戦を嫌ってあまり使わないキャラを被せた結果負ける等内容も散々なものでした。周りからも予選落ちという結果は驚かれたし、自分は勝つべき場面で勝てなかったのだととても悔しい気持ちになりました。

 

大会が終わり、帰りの夜行バスに乗ってからもずっと何がいけなかったのか、どうしていつもの力が出せなかったのかをずっと考えながら外を見ていました。今でもこの時の心境はとてもよく覚えています。

 

考えた末に分かったのは、俗に言う感覚的なプレイが自分は非常に多く、その場その場で本能的に動くことを好んでいたために、大会の緊張感のある試合で一回でも焦る局面に出くわすとそのまま焦りからプレイが乱れ、悪い方向へどんどんと転がっていってしまうということです。

 

そして、もっと1つ1つの状況で自分はどのような行動をするか、なぜその行動をするかを自分に対して説明できるようなプレイを普段からすることが大事だと思いました。俗に言う理論的に試合を組み立てるということだと思いますが、最初はそんな大げさなことはできなくても、経験則から感覚で動くだけではなく、その感覚に意味付けを少しでも加えてあげればいいと思います。

 

そのことに気付いてしばらくオフに参加した後、12月に開催された実質的には関東での初大規模オフ大会であるヌマブラに出場しました。自分にとってはケツバト以来のオフ大会でしたが、そこでBest24を取ることができました。強いと言われてる人を何人も倒せたのでようやく自分もオフで通用するプレイヤーの仲間入りを果たせたと思い、本当に嬉しい思いだったのを覚えています。(余談ですが、お互い一生ガン待ちで話題を呼んだRAINファルコと9Bスネークの試合はこの大会で生まれました。)

 

スマブラをプレイしていて大事なことは人によって様々だと思いますが、自分はある程度考えてプレイすることが特に大会で勝ち抜く上でとても重要だということをある種最悪の形で学びました。

 

お互い勝ちたいと思っている試合では緊張もするしプレッシャーもあると思います。大会での試合で、まずい!と思った時のマイナスの反応はフリー対戦の何倍も大きくなりがちですが、だからこそ焦りかけた時に頭の中にどれだけの思考と経験を積み重ねてるかが勝負の分かれ目となることが多いと感じます。

俗に言うメンタルの強さというのは、実は個人個人の生まれ持った能力ではなく、事前準備の量と質で決まるんじゃないかとこの時少し気付いたような気がします。

 

じゃあ具体的に何をどのようにして考えたのか、という話には今回踏み込みませんが、抽象的に言えば1つ1つの行動に自分なりに意味を見つけてそれを説明できる状態にするということが大事だったと思います。

 

それまでただ楽しくて夢中で遊んでいただけのスマブラが、自分にとって戦略的に勝ちに行くゲームに変わる重要なきっかけになった良い出来事でした。(仰々しく書いておいてなんですが、スマブラに限らずゲームに限らず、何をやるんでも肩の力抜いて楽しむということも大事だと思います。)