Power Ranking作成にあたる一般的な論点と自分の考え

はじめに 

昨日、JPRのV4が発表されました。

自分は36位と前回よりも大分落ちましたが、ランキング云々より最近のパフォーマンスの低さの方を憂いているのでその点はあまり気にしていません。

ともあれ、ツイートの拡散状況や、その後巻き起こる議論を見ると、やはり影響力が大きいのだと再確認します。また、そんな影響をもたらしてくれるHarukiさんには感謝感激雨あられです。

 

本題、時々Power Rankingはどのように決定されるべきか、について自分も考えることがあるので、今の考えを棚卸してみようかなと思います。

タイミング的にそう捉えられるかもしれませんが、JPRに対する意見表明や改善提案ではなく、Power Rankingのあるべき姿についての考えを述べるつもりです(そもそもJPRもPGRも計算式を見てるわけではないので、意見はまだしも改善提案はできません)。

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①直近の大会結果が高く評価されるべきか

これに関しては、ランキングの目的次第だと考えています。

ランキングの目的は、大きく以下の2つが考えられます。

1.ある期間での大会結果を総合して、その期間内でのパフォーマンスを評価する

2.目前の大会でのシードプレイヤーを決定するための最新プレイヤーランク

 

2を目的としたランキングであれば、常にランキングのアップデートが必要なので、直近の大会結果が重視されても良いと思っています。

ランキングがアップデートされない場合、集計期間が1年だったら1年間同じランキングを用いてシードを決めるという意味不明なことになります。ランキングのアップデートが必要なのは自明です。

直近の大会結果が重視されないと、ランキングをアップデートしようにも差分が出づらいのではないかと思います(推測でしかないですが、最近のウメブラシードポイントの変動が小さいのはそのせいではないかと思っています)。その点で、この種のランキングでは直近の大会結果が重視されても良いのではないかと考えています。

 

一方、1を目的としたランキングの場合、僕は直近の大会結果を重視すべきでないと考えています(=集計期間内の大会ポイントを決める変数に、開催日時は含まれるべきでない)。

極論ですが、集計期間とパラメータの取り方次第でEVOよりも集計終了間際のSAGAシリーズの方がポイントが高いということになる可能性もありますが、それは違和感があります。集計期間というのは、集計者ないし団体の意向によって決められますが、それとは関係なくEVOは最高の大会だからです。

 

そして、Power Rankingは1に当たる目的を持ったランキングだと思っています。

そのため、直近の大会結果が重視されることには違和感があります。

そんな昔の大会を最近の大会と同列に扱うのは同様に違和感があるという反論が出るなら、それは集計期間の議論であって、この話とは別の論点かなと自分は思っています。

 

②海外大会の結果はどの程度ランキングに反映させるか

これについては、ランキングを作った時に「これが日本プレイヤーのランクです」という名目の元で出すことに違和感が出ない程度には反映させるべきという考えです。

 

JPRのV1でAbadangoの順位が低く出た時、海外勢から異論が多く挙げられましたが、世界最高峰の大会が現状アメリカで開かれてる以上、そこでの結果はしっかりと反映されるべきだと思います。

もちろん、海外大会への参加は全ての日本プレイヤーが平等にできることではなく、機会の不平等という問題は常に付き物だと思うので、あまり強く反映させることには賛成できないですが...。

その意味での、上の曖昧な結論です。パラメータをいじるなり、集計ロジックを組む中で試行錯誤してある程度違和感のないものを作っていくしかないかなと思います。

 

③大会のポイントをどのように付けるか

大会ポイントを決める変数は、(参加者数)と(前verのTOP~の内、何人がその大会に含まれるか)の2つになるのかなと思っています。

これについては自明で、やっぱり参加者数だけだとどうしても歪みが出るかなと思います。プレイヤーとしての実感で言うと、ウメブラの250人とスマバトの250人を同一視するのはやはり違和感があるので。

でも、結局パラメータをいくつに設定するかは、相対的な基準があっても絶対的なものはないので、やはり試行錯誤しながら違和感が出ないように作っていく、しかできないのかもしれないですね(そして、その違和感は誰にとっての違和感なのかといった話もあるので難しい...)。

 

④安定感か、爆発力か

これも重要な議論かと思います。自分にとっては安定感を重視するランキングの方が都合が良いですが、考えとしてはどちらも重視した上で、どちらかと言えば爆発力のあるプレイヤーが評価されるべきかなと思います。

安定プレイヤー例:12大会出場し、内10大会でBest16、2大会でBest24

爆発プレイヤー例:12大会出場し、内4大会でTOP3、8大会でBest48

 

あまり極論を出しても仕方ないので、ありえそうな例を挙げてみましたが、自分は後者のプレイヤーを評価したいと思います。やっぱり期待感が全然下の人の方があると思うし、下の方が大会で見たいですよね?上のような人が海外のStier大会に参加しても、順当にBest48くらいで沈む未来が容易に想像できるというか(僕のことです)。

 

また、JPRを例に取ると

1.集計期間内で高いポイント6大会の結果が反映される

2.集計期間は1年で、1ヶ月に1回以上大会に参加すると仮定すると、合計12大会以上に参加することになる

これらを前提にすると、参加大会の半数以上はポイントに全く反映されないので、極論半数程度予選落ちだったとしても、それ以外の大会で好成績を残していればランキング上では問題ないことになります。

これは、まず波のあるプレイヤーにとって有利なシステムかなと思うので、各大会の順位に紐づくポイントはあまり大きな差を付けない等の考え方が感覚的には違和感ないのかな?と、あまり精査しないで言ってますが、そう感じてます。

 

そして、これに関してはJPRはかなり納得感のある数字を出しているのではないかと予測しています。

 

 

結論

・Harukiさんありがとう

・次回はもう少し上に行きたい

 

僕の好きな格闘技の試合

 

格闘技との関わり

あまり最近では話題に挙げることも少なくなりましたが、実は僕、高校生くらいまでは割と格闘技オタクでした。

ちょうどK-1やPRIDEが地上波を賑わせていた頃で、2004年~2007年あたり(僕が中1~高1)までは学校にいる時間と塾にいる時間以外はほぼ全て格闘技の試合を見ることに捧げていました。

 

そして、これもよく言っている話ではありますが、ハンドルネームの「Shogun」も実はPRIDEのミドル級元王者の"マウリシオ・ショーグン"から取っています。(下写真を参照)

 

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最近こそ、テレビで格闘技を目にできる機会が少なくなったこと、日本で勢いのある団体がもうここ10年近く存在してないこと、スマブラを始めたこと等の理由からほとんど見ることはありませんが、今でも動画はよく見ています。

 

この記事では、僕の好きな格闘技の試合をひたすら共有していきます。

よろしくおねがいします。

(先に書いておくと、結構ミーハーな選定です)

 

ミルコ・クロコップ vs エメリヤーエンコ・ヒョードル

PRIDEファンが何年も待ち望んだ試合。

絶対王者ヒョードルと、K-1からの刺客ミルコの試合は2003年あたりから待ち望まれたカードだったけど、ヘビー級GPでミルコがランデルマンにまさかの黒星を喫する等、長らく組まれなかった試合。

ゲームの世界はほぼトーナメント制で、強い人は上に残って対戦するため、中々この人とこの人の試合の実現を何年も待ち望むっていう状況は生まれにくいけど、格闘技はトーナメントは1年に1回程度で、後はワンマッチの試合が組まれていくことがほとんどなので、巡り合わせによってはこういう試合が生まれ得る。そこも良いところだと思う。

そして、当時中学2年だった自分はこの試合をさいたまスーパーアリーナで生観戦していました。今でも、1つ前の試合が終了して、会場が真っ暗になって流れ始めたこのVTRが忘れられない...。

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ミルコ・クロコップ vs ボブ・サップ

自分の中で、試合に至るまでのストーリーと盛り上がり、試合内容を全て加味した上で、一番好きな試合は何かと言われたらこの試合を挙げます。

今でこそボブ・サップと言えばパンチに嫌倒れして秒殺KOされるイメージしかないですが、当時一切キックボクシングの技術を持たず、フィジカルだけでK-1に参戦し、アーネスト・ホーストを二度倒す等の人間離れした実績から「誰がこの男を止められるのか?」といった声が上がるほどの選手でした。

 

そんな中、迎えたこの試合でこの試合内容。

本当に何度見たか分からないくらい繰り返し見た試合です。

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③藤本 vs 武蔵

恐らくこの試合を格闘技の名勝負として挙げる人は少ないのではないかと思います。

試合内容はともかく、この試合に関しては試合前のVTRが本当に好きです。

 

1995年のデビューからヘビー級で唯一トッププレイヤーと渡り合ってきた武蔵。

対するはソウルGPで優勝し、勢いを付けている藤本祐介

最前線で戦い続けながら、引き際と向き合うベテラン選手の戦いって自分はすごい好きで、何となく今見ると、そんな立派なものではないけど若いプレイヤーと戦っている時の自分と重ねて見る部分もあって良さがあります。

 

(よく見ると、VTRが好きというかBGMが好きなだけかもしれない)

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ジェロム・レ・バンナ vs ピーター・アーツ

ただひたすらにバンナがかっこいい試合。

お互い全盛期で、K-1も恐らく一番盛り上がってる時期。

戦い方だけでなく、髪型から筋肉まで何もかもがカッコいい。

この時のバンナがすごい好きだったので、この試合は何度も見返しています。

お互いの強さが短時間に凝縮されている、K-1史上屈指の名勝負だと思います。

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おわりに

今日も少し話題にあったけど、格闘技を長く見続けてきた自分にとっては、

ストーリー性やプレイヤーの思い、因縁とかって結構見る人を熱くさせるっていう実感があります。

競技として成熟していないゲームの世界でこういった演出は難しいかもしれないけど、戦ってる人がカッコよく映るって競技を盛り上げるためには必要な要素だと思う。スタープレイヤーがいないっていうのは、スターになり得るプレイヤーがいないという話なのか、スターを育てる土壌が界隈に存在しないという話なのか...という議論になると思います。

 

スマブラももっとプレイヤーに焦点の当たる熱いゲームになれば良いなぁと、格闘技の試合を見て懐かしみながら思いました。

 

野球選手のキャリアから学ぶ、実力を伸ばすことの難しさ

 

はじめに

自分は野球が好きなので、録画した野球選手の特集を見ることが多いのですが、

ここ最近は見方が少し変わってきたような気がします。

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昔は、情熱大陸とかプロフェッショナルでよくある、トッププレイヤー(イチロー、松井、ダルビッシュ等)の特集を何度も見て、「超一流のプレイヤーはこういうことを考えて競技に取り組んでいるんだな」とか、「この考え方は自分のスマブラに対しての考えと近いものがあるな」とか、そういったことを学び取るのが好きでした。

 

競技に人生を賭けた選手の思いに対する共感

今でも、そういった楽しみ方をする一方で、最近心に強く刺さるのが、"ずっとプロ野球を目指してアマチュアで野球を続けたものの、ドラフトから声がかかることもなく、キャリアを終えるべきか悩んでいる20代半ばの選手"や、"プロ野球の世界でずっとやってきたものの、結果が出ずに戦力外通告。それでも自分にできることは野球しかないと、必死でもがくプロ野球選手"の特集です。

 

恐らく、20代半ばを過ぎて社会人生活をしながらスマブラを真剣に続ける自分の境遇と重なるものがあると感じてる部分もあるだろうし、学ぶべきは成功の要因ではなく、失敗の原因であるという自分の考え方に基づくものでもあると思います。

 

きっと、この人も人生を野球のみに捧げてきて、今更引き返せないという思いと、もしかしたらまだ野球を続ければどこかで活躍するきっかけを掴んで、思い描いていた一流の選手になれるという自分への期待、両方あるのだろうと、そういった選手の特集を見て思います。

 

野球選手の、人生に対する思い・野球に対して捨てきれない思いに対する共感、それが1つ自分の見方として強くあります。

しかし、そんな選手への感情移入とは別の観点で、最近あることを感じるようになりました。

 

 プロの世界で正しく実力を伸ばすことはやっぱり難しい

1つの例が、3年前にプロ野球ドラフト会議にて、千葉ロッテから2位指名を受けた、京都大学の田中英祐選手です。

 

弱小の京都大学にありながら、MAX149kmのストレートと多彩な変化球を武器にし、京都大学のリーグ戦連敗記録を60で止めたことでも話題になった投手。

 

話題性ということもあったかもしれないが、ドラフトでは2位という高評価を受け、1年目の5月には初先発を任される等、今後を期待された選手でした。

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そんな田中投手が、今年11月に戦力外通告を受け、野球を引退することとなりました。

そして、引退までの経緯は悲惨と言えば悲惨(しかしよくあるパターン)で、公式戦で結果が出ないまま、コーチ等の指導の元で、制球難を改善するためのフォーム改造に取り組み、結果的にフォームを崩し、MAX120km台まで直球のスピードが落ちた挙句、オーバースローだったフォームもサイドスローに変更し、それでも結果が出ずにそのまま引退という流れだったようです。

 

 以前まではこういった例を見るたび、「150kmのストレートと投げっぷりの良さが売りの選手に制球を求めるがあまり、強みだったスピードが消えるなんて本末転倒じゃないか。球速を売りにするスタイルはそのままに、制球を磨く練習を積み重ねていけばいいのではないか。」と思っていたものですが、本当にそうなのかと疑問を持つようになりました。

 

別の例も紹介します。

パワーを付けることを目的とした、「肉体改造」の名の元に行った筋力トレーニングは、身体を肥大化させるだけでパフォーマンスの向上に繋がらなかった...という事例が多くありました。

恐らく、より強い打球を飛ばすためにより多くの筋力が必要で、それを身に着けるための筋力トレーニングだと思います。

しかし、筋力をつけて体重を増やすことは、動きの俊敏さを失うことにも繋がります。
ゲームのように、練習をすればポイントが溜まり、能力が上がるということはありません。

 

制球と球速も、筋力と俊敏さも全てトレードオフの関係なのではないでしょうか。何かを得ようとすれば、何かを失う、その中で自分は何を得るために何をしなければいけないかをジャッジしなければならない、そんなところに実力を伸ばす難しさを感じます。

  

先の田中選手の例で言うと、いくらアマチュアで速球派として活躍してたとはいえ、プロに入れば主に制球面には問題点があったのだと思います。だから、何かしら新たなアクションを取ることで、問題解決をする必要があった。しかし、課題を解決するための解決策がどこにあるのかについて、複数のコーチ、同僚、本人...数々の人の間で意見が分かれてしまった。結果、本人の中でどの解決策を選んでいいかを見失ってしまい、最終的には何の課題も解決できないまま別の課題も増えてしまったということなんだと思います。

 

 対戦ゲームにも同じことが言えるのではないか

先の2つの例から分かることをまとめると、大きく2つあると思います。

  1. 大前提として、競技の世界に正解はない。何か能力を伸ばそうと思えば、常に何かの能力を失うリスクを背負っている
  2. 誤ったやり方で能力を伸ばそうと思うと、能力を伸ばせないばかりか、別の能力を失う最悪の結果に終わる可能性もある

これは、対戦ゲームにも同じことが言えると思っています。

ローリスクな行動に徹することで、尖ったリターンが得られずにジリ貧になり、強気な行動を通そうとするあまりに、守りが弱くなる

 いかに最適なバランスを保つかが重要だけど、バランスを保つためのやり方を間違えると、自分の強みも時に消えてしまう でも、何もしなければ自分は何も変わらないまま

 

こういった葛藤が、自分のスマブラでも幾度となくあったように思います。

そして、今でもどのように実力を伸ばすかについて悩み続けています。

 

今まで、初心者~中級者の人が実力を伸ばせるようにと、自分なりに上達の仕方について色々記事を書いてきましたが、それは、明らかに正しいことはしようという方向性と、明らかに間違っていることはやめようという方向性のどちらかに寄っていると思っています。

 

もちろん、それはそれで価値があることなんですが、自分自身、それだけでは最上位のプレイヤーには勝てないと思うようになりました。どれだけのリスクを受け入れなければいけないのか、どれだけ強気にリターンを求めたいのか。そういったバランス感覚には1つの正解はないですが、今自分に必要なのはそういう細かい部分だと思います。

 

これからもこの葛藤の中で、またどうやって勝つ方法を探すかを考えていきたいと思います。引き際と戦う野球選手を見ながらそんなことを感じつつ、明日の仕事に備えます。